原保育園 園章

原保育園 園章

行頭マーク 「金時計の思い出」―時の記念日によせて―

2021年5月  園長 原信彦

20年前、三田にある慶応大学の授業に、ビデオカメラマン・編集として参加した。福沢諭吉の銅像や、学内で学生たちのインタビューを撮影。湘南藤沢キャンパスでは、大ホールにPCがずらりと並び、学生たちのカチカチカチとキーを打つ音だけが響き、企業ならぬ学生戦士みたいで壮観だった。

授業とは別に、講師と学部紹介のビデオを一本制作した時、ある学生に「普段どんな仕事をしているんですか?」と聞かれたので「いつも保育園で、子どもと遊んでいる んですよ」と言ったら、「はぁ??」と驚いた顔をしたので、可笑しかった。

授業の後、慶応大学からお礼にと「金時計」を戴いた。成績最優秀者か、対外的には大臣に渡す位の貴重品だと云う。講師は、園に通うH君の父親で、私が子どもを撮影したものや、他の作品を見て「自分の引き受けた授業に来てくれませんか?」と依頼されたのだった。H君の母親は慶応の学生だったので「金時計なんて羨ましいなぁ」と悔しがった。私は、母に時計をあげる事にした。「大切にしましょう」としまい込んでいたのが、つい最近見つかった。

 

幼児期の素晴らしい日々は、今の時にしかない。 

私は、緑豊かな果樹のある園庭で「おいしいね、甘いね」と、色々な果物をほおばる子どもを見るのが嬉しくて、自然の中で、のびのびと成長していく姿を撮影し続けてきた。

金時計は、この保育園で培った賜物である。

 


6月10日「時の記念日」現在100周年

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