子どもの心に寄り添って
  べたべた甘えるリラックス夏休みを

2004年8月

植えてから6年、甘酸っぱいブラックベリーと、イチジクが大豊作で、今最盛期です。イチジクは、大人の親指ほどの大きさですが、紫に完熟した実の甘さは格別で、みんなが大好きです。本館の園庭に各クラスが交代で食べに来ていますが、ぶどうも熟れて食べられます。0、1歳児さんは、どの果物も早々と木からもいでもらって大喜びで食べている毎日です。

この素敵な光景を見るのが園舎を完成させた時からの夢でした。「夢は実現させてこそ」の想いがあり、子ども達が木からもいでおいしそうに食べている姿のうれしさは格別で、私の夢が叶いました。樹木が成長するのには大変時間がかかります。でも、柿もなっていますし、ナツメも大豊作です。

酷暑に見舞われた今年の夏、そんな猛暑も吹き飛ばすほど、子ども達は本当に元気でした。いつも、楽しみに目を通す各クラスの日誌は、全員出席が続いて「すごいね」と驚かされるばかりでした。0歳児さんから5歳児さん、どのクラスも給食の時間は「おかわり」が何度も繰り返され、旺盛な食欲に目を細めつつ、「熱中症」に一人もかからず夏休みが迎えられた歓びは格別です。

早々と始めた水遊びも、ボイラーで沸かしたお湯が適温で気持ちよくてとても楽しそうです。0歳児の赤ちゃんに「お湯から出るのがイヤ」と大泣きされて、「ごめんね、また明日ね」と謝りながらも、あんなに最初は嫌がっていたのにと、正直な赤ちゃんに「ありがとう」です。

いよいよ子ども達の待っていた夏休み、家庭での生活が始まります。一人一人みんな違った生きるリズムと個性を持った子ども達が精一杯自分を発揮している保育園という集団生活は、大人の知らないところで驚くべき成長をしていますが、友達と遊ぶときにも、新しいことにチャレンジする時にも、日常生活の中での子ども達は、かなりの緊張感を持っています。
「私だってできるもん」
「もっと上手だよ」
「もっとうまくなりたいな」
「あの子と遊びたい」
「先生がだめだって言ったって絶対やるもん」等。
それは、生きる力の強さです。集団の中でこそ、自然に養われていく自分自身への自信や悔しさなど、一人で家にいたら感じることも無い集団生活からの解放です。

夏休み中、きっと甘えます。べたべた甘えて、「ご飯食べさせて」なんて5歳児が言い出したりします。新しい力を充電させる夏休み「おかしいよ」などと言わず、子ども達の心に寄り添って、思い切り親子でリラックスして、「これはだめ」「あれはいけません」など極力言わなくて済むように工夫して、危険なこと、迷惑のかかること以外は、親子で楽しくお過ごしください。

 

戻る