新春に想う 新しく伸びる若い芽よ

2004年1月

あけましておめでとうございます。お年賀状を有難う御座いました。写真やお手紙を楽しく拝見させていただきました。祖父母さまからも「嬉しくて宝物にします」と、手形のお礼の言葉がお年賀にしたためられていて、孫の成長を喜んでくださって居られる姿が目に浮かび、毎年の事ながら私の方こそ幸せな気持ちにさせていただきました。

初日五日・子ども達に「おめでとうございます」のご挨拶をしに各クラスを回りました。生き生きとした声で返事が返ってきて、新しい年の初めの力強さに、おもわず「すごいね」と拍手をしてしまいました。みんな元気でした。

春です。かりんの木の根元に、「蕗のとう」が、たくさん顔を出していました。六〜七個採って、遊んでいる子達にみせて、まだたくさん蕗の出ている様子を観察しました。変わった「蕗のとう」でした。葉っぱの芯の真ん中が膨らんで、つぼみになっているのです。春になると そこここに ぽこぽこ顔をだすのとは全く形態がちがっています。私は出逢った蕗が、今まで見た事もない花芽(蕗のとう)を付けている発見に興奮しながら手を真っ黒にしてその強烈な春の香に酔いました。

「くさいね」と言う表現でなくて、「いいにおい 春の香り」と教えたら、「いい匂いだね」と、次々に取り合って、いつまでも鼻におしつけて香を楽しんでいるので大笑い。お部屋に持って行ってもらいました。ラズベリーは、上半分を小鳥が食べて、下の食べ残し半分を私が食べて、完熟の甘さを味わいました。
お正月にラズベリー・果物の採れる季節図が変わりそうです。

年末、長崎を旅して来ました。戦後五十年を経てなお生々しい原爆の恐ろしさ、重い苦しい戦争の歴史の悲劇に身がすくみ、今なお世界に警告を発し続けている事実を再認識しました。
平和、平和と言いながらの戦争は、殺戮が殺戮を呼ぶ連鎖でしかなく、なんの解決にもなっていないことを世界中の母親は知っています。大切に育てた子ども達が、戦いで死ぬ事を想像して育てている親が世界中どこにいるでしょうか。「君死に給う事なかれ」明治の女流歌人与謝野晶子の歌を切実に思いました。

新しく伸び行く若い芽よ、人々の幸福のために力いっぱい生きる確かな目的で伸び続けていって欲しいと切なる願いです。
子ども達がやがて大人になる日まで、「平和を愛する心を育てる事こそ最大の遺産(教育目的)」であり、子ども達の心に刻み続けて生きたいと、穏やかな陽光に明けた新年の祈りでした。

戻る