平成13年12月

 
心を育てる「躾けってなあに」家庭でのしつけ

最近、親が子どもを殺す等と、信じられないような事実が報じられて背筋の凍り付く思いです。しかも「言うことを聞かないから、躾の為にやった」という大義名分をつけている恐ろしさ。「躾ってどうしたら良いか解らない」と聞かれます。
私は躾は特別な事などではなくて、毎日の生活の、全てだと思います。「物事の良し悪し」を解るように、丁寧に教えていく家庭生活そのものです。基準は、一般的な常識の範囲で良いかと思います。どこのご家庭にも、これは人間として大切な事だから守っていきたいと思って居る価値観がありますね。ご夫婦の間でも、子ども達に対しても、その親の価値観が、そのまま言動となって、毎日の生活は営まれて居るものです。家庭内での保護者としての「姿勢と存在」を、子ども達に示して行く必要があると思います。子ども達が我が儘を言って親を振り回そうとしても、「我が家ではだめよ」と、毅然とした態度で望んでも大丈夫、子どもは鋭く親を見抜ています。「心から愛され、大切な1人の人格として認められて居る」と感じられる信頼関係が大切です。
又、子どもは大人の玩具ではありませんから、遊んであげて居るつもりの「ふざけっこ、くすぐり、面白半分のからかい」も、度を超せば「悪ふざけ」子どもも、本気で親に向かって手を出します。いつもウルトラマンごっこの怪獣になって、やっつけられているお父さんも、尊敬されるかっこうではなさそうです。親は友達ではないのです。「関わりの質」が大切になりますね。自分には無い力を親が持っている事に尊敬や、誇りを感じるはずです。
又、いつまでも赤ちゃん扱いをして居たり、友達、兄弟、姉妹と、つい、比べてしまう言動が、時に子どもを傷つけ、反発させる原因になります。「自分は誰とも比べられられない自分だ」と存在を主帳し抗議のサインを出します。(親に手を出す、言うことをきかない等)。大きくなってからも、「心の歪み」となりかねません。サインは、子どもが何を訴えているのか、子どもの「こころの声」を聞きながら、大人自身が、日常的な子どもへの関わりや、「躾け」について考える、良いチャンスと捉えて行きたいものです。「躾け」は、私たちが、何時も見せている姿、言動その物だからです。

1年間有り難うございました。世界の暗雲に負けず、家族仲良く明るく、良いお年をお迎え下さい。

平成13年12月1日(園長)
 
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