抱きしめて育つ子どもの心 … シリーズの効果

2002年12月

「抱きしめて育つ子どもの心」をテーマに、講演会とグループワークも回を重ねて参りましたが、ご案内のように、来年2月まで続きます。中原区と保健所主催の子育て支援運動を、保育園が引き受けたものの、初回から6回も、こんなに長く続けての講演会やグループワークは、初めての試みでどうなることか、はたして皆さんが最後まで聴きに来てくださるのか心配になっていました。

が、始まってみると私の懸念は吹き飛びました。まず、その効果は最初から実に大きくて吃驚しています。この抱きしめ運動を、「全国的に展開したい」と言う田辺先生のご構想をお聴きして、その大きな1歩が原保育園だったことは、とても幸いなことでした。まず、初回が終わった次の日にもう私たちは、お母さんと子ども達の大きな変化に驚かされました。お母さんが「穏やか美人」になって、子ども達もニコニコ嬉しそうな笑顔でした。

「肩から力を抜いたら気が楽になって、今まで私はなにをやってきていたのでしょう。がみがみ細かいことまで注意をせず、叱らないでいる事が、こんなに楽だったなんて気が付きませんでした。子育てって肩から力を抜いていいのだと、3回まで全部受講してやっと解りました」と大喜びで、7枚ものレポートを書いて来てくださったお母さんもいました。

私は、この時、回を重ねる意味と、その効果の大きさを感じました。同時に、こんなにお母さん達が子育てに悩んでいたのに気が付いていなかった事、解ってあげていなかった事にとても大きなショックを受け、申し訳ない気持ちでいっぱいになりなりました。家庭での躾を育児書に求めてよみあさり、図書館にかよい、1500冊もの本を子どもに読み与えていたなどとは想像もつかないことでした。反省と同時に、もっともっとお母さんの心に寄り添っていきたいと切なる想いです。どうぞご遠慮なく悩みをお聞かせください。

講演会後には、子どもさんに対するお母さんの考え方、意識が変ったそうです。今までは、兄弟でも、一人一人違う子ども達だと解って居ても、つい他の子と比較し、自分の思ったような良い子にしようと肩に力が入ってしまって、苦しかった子育てが、子どもを抱きしめることで、親子ともどもほんわりと何やら幸せ気分になって、楽しい子育てに繋がって来ているようです。

子ども達は、これからも、どんどん成長して行きますので、次々と見えないことや、悩みが出てきてしまうものです。保育歴48年の私にとっても違った分野の方からのお話は、自分の考え方の再認識にもなり、参考にもなりました。来年からはさまざまな形でのグループワークを行い、お互いの話し合いのなかから学んだり、教えあったりして、働きながらの子育ての悩みに応えて行きたいと思います。

30周年の佳節に新園舎も誕生して共々に喜んで戴き、今年1年も本当に幸せな良い年でした。皆様の御協力に感謝しています。誠に有難うございました。風邪に気を付けて、どうぞ良いお年をお迎えくださいませ。今年もお豆腐が来ました。今年一年一生懸命頑張った皆さんへ、園長からのささやかなご褒美です。温かいお鍋でも食べてお元気にお過ごしください。私からお渡ししたいので帰りにおよりください。

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