「子供の読書年」に寄せて

2000年11月

楽しい楽しい運動会が、終わりました。今でもひよこ・りすさんは運動会、運動会」と言って踊っています。
今年は、「子供の読書年」ですが、心に残る本に出会いましたか。幼い頃わくわくしながら読んだ絵本もわすれられません。数少ない本を、何回も何回も繰り返し読む楽しさには、格別な想いがありました。

保育園の子ども達も、絵本が、大好きです。0歳児も、1歳児もお気に入りの絵本をそれぞれ抱え込んでは、自分の見たかった物が見つかると、「ほら、これなの一緒に見て」と、言葉の変わりに「アーアー」と声をあげ、手で指さして呼びます。「ああ新幹線ね。早いのよ、乗りたいね」等と最大限の共感で答えてあげると、大満足な0歳児です。

1歳児になると、ストーリーをみんな覚えていて、先へ先へと得意げに読んでいきます。「上手ね、これはなあに」等といって、親子で楽しんでいられるのは、ほんの数年です。4歳児で拾い読みが始まり、5歳児ともなると、こんなに本読みが上手に出来るのと吃驚するほどになって来て、小さい子ども達に抑揚までつけて読んでくれます。

どんなに1人で読めるようになっても、子ども達の大好きなのは、何といっても「読み聞かせ」「語り聞かせ」です。お昼寝の前先生が、ちよっとトーンを落とした優しい語り口調で、話し始めるといつの間にか夢の中です。

私も、母に毎晩「語り開かせ」で、話をしてもらいました。電気を消して布団に入るのは毎晩8:00時過ぎ、テレビもない昔、小さな豆電球一つの、くらい夜の闇の中は、おもいきり想像力の翼を広げられる、楽しい時間でした。

創作も多くて2度と同じ話が聞けない事もありました。子ども達が寝た後、起き出して仕事を始める母は、昼間の疲れで、たいてい先に眠ったのでしょうか「それから」と催促しても、「レロレロ」だった記憶も懐かしい想い出です。疲れて遅く帰るお母さんにとっても、童話は、優しい気持ちを誘い出してくれるから不思議です。

「子どもの読書年」に寄せて、絵本の持つ魅力面白さを子ども達といっしょに味わってみたらいかがでしようか。

 

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