平成13年8月

 
心を育てる「してはいけないこと・間違っている居ること」をしっかり教えて

もうすぐお盆休み。お家の方と過ごす1週間です。夏風邪に気を付けて楽しくお過ごし下さい。
「家では、ちっとも言うことを聞かなくて困る」と言うお話をよく聞きます。保育園ではみんな楽しく過ごせる様、基本的なルールを守っています。0、1、2、3歳児から、4,5歳児に至るまで、その発達段階の中で起きる問題点を1つ1つ真剣に教えて「いけないことは、やってはいけない」としっかり解らせ躾ます。
例えば、0,1,2歳児の頃に見られる、「引っ掻き、噛みつき、髪の毛をひっぱる」などは、きちんと辞めさせなければ、安心して保育園生活はできません。本人も嫌われるので、すぐ直さなければ大変です。
2,3歳児になると、自己中心的な発想や、我が儘から、「物を投げる、思い切り押したり叩いたり、け飛ぱしたり、噛みつきや引っ掻き」もしたりと、相手への危険も大きくなります。こうした行動は、ここ数年家庭でも多くなって居て、以前は親に手を出す子等は余り見かけられない事でした。それに対して親は毅然たる態度で「2度としたら許さない」と叱ってあげているのでしょうか。気になる所です。何処かで切って、けじめを付けてあげないと増長するばかりです。
4.5歳児、キリン組の遊びを見ていると、友達関係が親密になり、言葉で相手を傷つけるとか、心くばりも覚えて「言って良い事悪い事、やって良い事悪い事」などが良く解って来ます。その時時に、ぶっかり合いながらも自分達でルールを考え遊びを工夫し、自分勝手な我が儘は通りません。子ども達は、基本的な約束を守る事で、大きな自由と安心が得られる事を日常的に身体で覚えていきます。
この様に社会性の有る子に成長するには、0.1.2.3歳児迄の躾が大変重要です。大きくなってから本人が困らない為に、「放任を、個性の尊重だ」等と勘違いしている子育ては無責任です。やがて大きな悲劇を生む事に成りかねません。
お家でも「子どもの言いなりに我が儘を許す」前に、この子のに「今何を教え、どんな子に育てるのか」と、子どもに「かじ」を捕られないで、親が「こうすれば良いんだよ」と、「かじとり」をしながら、子ども達が、安心して進んで行けるように方向を示し、「自律と自立」の為の「心育て」を、共々にして参りましょう。幼児期の基本的な躾は、一生を通して身に付いた宝物になります。

平城13年8月(園長)
 
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